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小布施日和

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チャプレンからのメッセージ

「あなたの神、主は、あなたの手の業をすべて祝福し、この広大な荒れ野の旅路を守り、この四十年の間、あなたの神、主はあなたと共におられたので、あなたは何一つ不足しなかった。」
旧約聖書・申命記 第2章7節

     

すべての生き物たちは冬を静かに過ごし、春を待っています。もうじき病院の中庭もいっせいに花が咲きだすでしょう。今年の春はいつもよりも早いようです。自然の中に生きるいのちは、寒さをのり越えようとする、どれもすばらしいいのちです。

教会ではこの頃に「大斎節」とか「四旬節」という教会の期節を迎えています。それはイースターの前の日曜日を除く40日間です。教会はこの時期、「慎みの期節」自分の罪や、自分が目をそむけていることに対して省みる時として迎えます。そしてイエス・キリストの復活であるイースターを迎えるのです。


岩波ブックレットに『荒れ野の40年』という本があります。西ドイツの大統領がおこなった演説が本になっているものです。それは第2次世界大戦でドイツがおこなった戦争の責任についてしっかりと向き合おうという演説でした。

その中で、

『過去の戦争責任に目をつむる者は、現在に対しても目を閉じている』

という言葉があります。自分のやってきたこと、言ってきた事実を忘れてしっかりと見ないものはまた同じ過ちを繰り返すというのです。

新生病院
チャプレン(牧師)
司祭 箭野直路


聖書の中で「40日」とか「40年と」いう言葉が出てくると、そこには神さまが与えるある期間、耐え忍ぶこと、慎むこと、自らを省みることを意味しています。

この演説が本となった時のタイトルは聖書の中の話からきています。旧約聖書の預言者であり、イスラエルの民族をエジプトから脱出させ、神さまが示す土地に導いた指導者モーセの話です。聖書によればモーセとイスラエル民族は荒野を40年間、さまよいながら神さまが約束する土地を目指して旅を続けたそうです。

実際に40年かかったかどうかわかりませんが、『40』という数字は、神さまが彼らを苦難と試みの中におきながらも、彼ら自身を見つめさせ、悔い改めさせて、教えて導くという意味があります。それに習ってドイツ国民が戦争への責任について深く思い起こすことを願ったものだったのです。


何をどのように省みるのかについて静かに考えることは、自分の未来を考えることになります。春には新しいスタートや生活の始まりがあります。その未来に神さまが祝福を与え、豊かに導くために私たちは自分自身に目をむけ、静かに見つめるときが必要です。

日々の中で静かに自分の心を振り返る機会を持つことによって、どうか皆さんのうえに神さまの豊かな恵みと導きが与えられますように。