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チャプレンからのメッセージ

「ミッションということ」

2022.05.12

今日ここに、新生病院初代院長R.K.スタート博士の記念式を行うことができる恵みを、神様に感謝したいと思います。

博士は1931年にカナダより来日され、戦前・戦後あわせて13年間、ここ小布施の地にて、結核に苦しむ患者さんのために働かれました。帰国後もたびたび日本に招かれました。元患者さん・職員の会である「山彦会」が1977年に博士をお招きした時、博士は日本で体調を崩され、逝去されました。その時以来山彦会、そして新生病院は、51日の14時に記念式を行ってきました。51日は生前の博士を偲ぶと共に、病院グループのスタッフが創立の理念である「キリストの愛と精神」に立ち返り、思いを新たにする日となったのです。

スタート博士やミスパウル、ミスブッチャー、ミスベンズ。これらカナダから来られた方々を、私達は「カナダミッション」と呼びます。「ミッション」という言葉は、とてもたくさんの意味を持っています。辞書によりますと、「ミッション」にはまず「キリスト教の伝道・布教・宣教師・宣教団」という意味合いが出てきます。ですがそれ以外にも「任務・使命」「派遣された人々」「働き」などの意味合いがあります。つまり、ある一つの使命を持ち、それを共有して集まる人々、そしてその人々の働き、これらを総称して「ミッション」と呼ぶのです。

いま述べたことは、新生病院グループで働く私達にも大きな示唆を与えてくれます。「ミッション」には、①使命感を持ち、②仲間と共に集まり、そして③働くという、3つの要素が不可欠なのです。どれが欠けても、「ミッション」ということはできません。「ミッション」とは、神様からの使命を受けて、仲間たちと共に、働いていくということです。私達も今、小布施の地、そして須高地域で、カナダの人々から託された「ミッション」を実現するために、ここにいるのです。

スタート博士もまた「ミッション」の一員として、自らの使命と、共に働く仲間たち、そして具体的な働き、それらを大切にされた方でした。聖書には「心の貧しい者は幸いである」(新約聖書「マタイによる福音書」53節)とあります。自分の弱さや不十分さを認めることができる人、そんな自分のありのままを神様の前に差し出すことができる人、力や才能を誇るのではなく、ただ神様から与えられた使命を喜び、自分と同じように隣人を愛することができる人。そのような人こそ「幸いである」と、イエスキリストは言われるのです。スタート博士はまさに、そのようなキリストの言葉を具体的に実践した方でした。

新生病院グループは創立90周年を迎えます。私達スタッフは地域社会のために、一人ひとりのいのちと生活を守り支えるために、働くという使命を持っています。私達には共に働く、多くの仲間がいます。そして、各地で様々な働きを続けています。スタート博士やカナダミッションの人達が、生涯をかけて伝えてくれた、「キリストの愛と精神」という原点を見失うことなく、「ミッション」を続けていきましょう。先人達から受け継いだ「いのちのバトン」を担い、働きを広げ、次世代の未来ある人々に手渡していこうではありませんか。

(202251日スタート博士記念式にて 大和チャプレン説教より)

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