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チャプレンからのメッセージ

「「いのち」を心に刻んで」

2020.08.28

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8月15日(土)新生礼拝堂は「平和を祈るつどい」を行いました。
小布施町内の寺社と共に鐘を鳴らし、戦没画学生慰霊美術館「無言館」の展示作品2点を黙想しつつ、平和への祈りを新たにしました。

また別の話題になりますが、在宅緩和ケアの先駆者であり、患者さんのトータルペイン(身体の痛みだけでなく、精神的・社会的・霊的な痛みを含めた全人的苦痛)の緩和のため、イギリスでシシリー・ソンダース医師と共に生涯をかけて働いた、メアリー・ベインズ医師が亡くなりました。
遠く離れた日本の、信州小布施の地でも、在宅緩和ケアは実を結んでいます。魂の平安をお祈りします。

戦没者追悼と緩和ケアの歴史に思いを馳せること、いずれも、命の大切さを心に刻む出来事でした。

「悲しいお知らせをシェアします。メアリー・ベインズ医師が亡くなりました。
メアリーは8月21日金曜日、ホスピスにて平安のうちに世を去りました。メアリーをご存知の方も多くいらっしゃることでしょう。彼女と一緒に働かれた方も、会議で彼女の話を聴いた方も、あるいは彼女から刺激を受けた方もおられることでしょう。 そうでない方々のために申し上げますと、メアリーは、死に臨んでいる世界中の人々に対し、より良いケアを行うために、人生を捧げました。そして、聖クリストファー・ホスピスと緩和ケアの発展のために役割を果たしました。

メアリーが仕事を始めたのは、1968年のことでした。
親友であるシシリー・ソンダースが、顧問として聖クリストファー・ホスピスに加わるよう、彼女に依頼したのです。それから2年もしないうちに、メアリーは世界で初めて、死に臨んでいる人々のための在宅のケアサービスを設立しました。
それがどれほど大きな影響を与えることになるか、当時の彼女は知るよしもありませんでした。2020年現在、聖クリストファー・ホスピスがケアを提供している方々のうち97パーセントは、ご自宅にて過ごしておられます。そのことを可能にしたメアリーに、感謝したいと思います。

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メアリーは、ロンドンのサウス・イーストにて、死に臨んでいる人々のためのケアを変革しただけではありません。亡くなる直前まで、彼女は会議にて発言し、メディアのインタビューに答え、ホスピスで教育的な懇談会を主催しました。以前のインタビューで、彼女は次のように述べています。

『聖クリストファー・ホスピスの立ち上げ当初から関わった私のような者達に、シシリーは2つの目的を与えました。病棟で、あるいは在宅で人々のお世話をすること、そして、世界中の死に対する見方を変えることです』。

そしてメアリーはまさに、それらのことを実践したのです。

メアリーはもう人としては私達と共にいませんが、彼女の残したものは続いてゆくことでしょう。
聖クリストファー・ホスピスにおいて、私達は、彼女の道を切り開く精神と、粘り強い実行力を思い起こします。
そして、彼女が何年も前よりシシリー・ソンダースと共に始めた偉大な仕事を、継続していきます。あなたご自身の思い出を分かち合うことで、メアリーの人生をたたえていただくよう、お招きします。そして以下にコメントして、メアリーに捧げてほしいと思います。」
(聖クリストファー・ホスピスFacebook、2020年8月25日投稿より、私訳)

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