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小布施日和

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チャプレンからのメッセージ

それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である。
コリントの信徒への手紙一 13章13節

新生病院の新しいチャプレンとして過ごしている私は、前任者の引き継ぎ通り、朝8時半と午後1時半に4階の緩和ケア病棟のミーティングにできるだけ参加しています。夜勤を終えた看護師から日勤の看護師への引き継ぎや連絡事項が伝わるその場は医師と看護師、ソーシャルワーカー、チャプレンなど多職種の人々が連携を取るための大切な役割を果たしています。

<病室で出会ったAさんの「愛してる」との言葉から>

今回、入院患者の男性Aさんとの出会いと交わりを紹介したいと思います。
Aさんは入院時からチャプレンとの対話を希望されていた方の一人です。「一生懸命に働いて来たし、退職してからは色んな趣味も楽しめたし、悔いはない」と言っていました。ピアノの音が好きで、ピアノが弾きたいとのことで、部屋の片隅に鍵盤を置き、訪ねてくる息子のお嫁さんのピアノ演奏を楽しみ、それを聞きながら眠ることも度々ありました。
不自由な両目と難聴の方で、入院して熱を出す日も、眠って過ごす時間も長くなる中で、なかなかお話できる機会がなかったのですが、体調の良かったある日、お話しを伺うことができました。
ベッドの傍に座り、お話しを伺っている時、隣で付き添っているお連れ合いさんが色々お話を付け加えながら家族のお話、仕事のお話、迷いがあったけれども農家の長男として教員の仕事をしながら、農家のことはお連れ合いさんが責任を持ってくれたおかげで今までありがたかったこともお話されました。隣でお連れ合いさんが「私のような者が嫁に来ちゃった」というと、Aさんは「そう言われるととても寂しい」と言いながら、Aさんがお連れ合いさんを大切に思っていることを伝えてくださっていました。
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手でハートを描きながら、「愛している」という気持ちを表現すると、お連れ合いさんは「どうしたの?今までそんなこと言われたこともない」と驚きながらもうれしい気持ちを隠せませんでした。そして、また別の日には、私の顔が見えないとおっしゃるので、お連れ合いさんがメガネを掛けようと近づくと手でお顔をなでながら、目が悪くなってあまり見えなくなったお顔を覚えようとするかのように、お連れ合いさんのお顔を何回もなでていました。お連れ合いさんは照れながらもうれしくその手の温かさを受け入れていました。



病院のチャプレンの仕事は多くの患者さんと一緒に過ごし、天に召される方も多いということから、皆に大変ではないかとよく聞かれます。
初代院長スタート博士は入院中の患者さんに指導事項を書いた数ページの冊子を配っていたそうなのですが、そこには「神様の癒して下さることへのお手伝い」という言葉が記されていたそうです。私たち一人ひとりは神様の癒しを経験して生きていることを感じていたいのです。医師や看護師のみならず、自らも神様の癒しの業に参加していることを日々感じたいと思います。病の中で今までの人生を振り返る方々との出会いを通して、私自身も多くを感じ、その方の尊厳と命の強さを学ばせていただいています。主に感謝。

<日本聖公会中部教区 司祭 フィデス金善姫>