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チャプレンからのメッセージ

見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は「神は我々と共におられる」という意味である。
マタイによる福音書 第1章23節

     

新生療養所時代の思い出の記に、いくつかクリスマスの時の様子が記されています。
(以下、山彦会発行『新生病院創立70周年記念文集』より抜粋。原文の句読点を編集しています)

 

「クリスマス行事は一週間程続きました。教会・職員・患者さんの祝会の外、キャンドルサービス、サンタ来訪に、仮装行列、聖劇等、患者さん方も各病室にクリスマスにふさわしい美しい立派な飾り付けをして別世界の様でした。殊に忘れられないのは、患者さんの為に二階の大ホールにて模擬店を開いていた事でした。熱あつの茹でギョウザや紅茶、おでん等、パジャマ姿の患者さんも、運動の許されて居た方は、この日は盛装して召し上がって居る姿は楽しそうでした。」

「療養生活の毎日は、至って単調なものでした。その故に特別なイベントは楽しい懐かしい想い出となりました。入所した年のクリスマスイブ、職員の方々が手に手にローソクを持ち、病棟をめぐり、聖歌を唱って下さったキャンドルサービス、・・・」

「私の病室の正面に大きな松の木がありました。前日降り続いた雪をかぶって...・お日さまが顔を出し、雪が溶けはじめると一滴一滴とだんだん数を増し、その中にもう数え切れない葉先から落ちる滴。その落ちる瞬間、一米以上の七色の光芒を見せて梢のてっペンからその数は次第に増し、木全体が大きな大きなクリスマスツリー。人の作ったどんなツリーもこの天然のクリスマスツリーにはかなわない。元気で働く人達にではなく終日ベッドに釘付けの身だからこそ、雪が消えるまで見ていなさい、との神さまからのおくりものにちがいないと思いました。」


今年もクリスマスの行事(?)を迎える季節になってきました。

聖書に、冒頭に掲げた、

『見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。この名は「神は我々と共におられる」という意味である。』
(マタイによる福音書 第1章23節)

ということばがあります。


新生病院
チャプレン(牧師)
司祭 松本正俊

 

クリスマスとは、一人の赤ん坊の誕生を祝う、信仰表明の日・宗教的記念の日です。

この赤ん坊の名前は『イエス』。この一人の赤ん坊イエスは、旧約聖書で『神は我々と共におられる ? インマヌエル』と呼ばれる存在が、現実にこの世に誕生したという<しるし><あかし>なのです。

このみどりごイエスの誕生を祝う日がクリスマスなのですが、この日が12月25日なのは、4世紀にローマでキリスト教会の大切な会議の中で決定されたとのことです。今では世界中のキリスト教国は勿論、それ以外でもお祭りとして行事化されている祝日がクリスマスなのですね。


私たちの病院は、療養所時代から、初代院長R.K.スタート博士を初めとする医療スタッフのキリスト教信仰から"クリスマス"を大切な時として当院の全人医療の一環として位置づけるという歴史をもっています。

その模様を想像することができるのが、上記のエピソードのたぐいだと思います。

 

このエピソードを読むと、当時、クリスマスの時・行事を通して『インマヌエル - 神は私たちと共にいる』ということを実感、体験できるフンイキが豊かにあった、ということを感じます。

それは、R.K.スタート博士はじめ当時の医療スタッフが、キリストの愛の心をもって、患者様お一人お一人に向き合い、寄り添い、共にいるという姿勢をもって関わっておられたので、これを読む私たちはその感をいっそう強くもつのではないかと思います。

私たちも、クリスマス ? みどりごイエスの誕生を、『いつも神さまは私たちと共にいてくださる』というメッセージのある日として、意識して過ごしたいものだと思います。


最後に上記の「70周年文集」に載っていた句を記します。

 

クリスマス病みてみ恵みまたあらた  (永井思葉)